ポッジョの笑い話 丸薬作りある町に、学識豊かな医者が住んでいた。彼には若い召使が一人いて、彼の指示した通りに、丸薬を作っていた。この若者は、師匠と長いこと暮らし、丸薬を完璧に作れるようになると、師匠の許を離れ、知らない国へと行った。そして、その地で知られるようになると、自分は、どんな病気にも効く薬を処方することのできる博識な医者であると人々に思わせた。そして、彼の許へとやって来る者には、必ずいつもの丸薬を与えた。 ある日のこと、その土地に住む貧しい男がやって来て、ロバがいなくなってしまったのだと泣きついた。そして、どうか、ロバを見つけ出す薬を処方してくれるようにと懇願した。そこで彼は、いつもの丸薬を与えてこう言った。 このように、多くの馬鹿者が、しばしば賢人とみなされる。なにせ、彼はあらゆる病気を治し、ロバでさえ見つけることが出来ると思われたくらいだから。 (日本語訳 Keigo Hayami) 参考: |
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