ジュピターの二つの袋

 ジュピターが人間をお造りになったとき、二つの袋をお与えになった。一つは、隣人の欠点の入った袋で、もう一つ は自分の欠点の入った袋だった。ジュピターは、人間の肩にこの二つの袋をおかけになった。こうして一つは、前にぶら 下り、もう一つは背中にぶら下った。人間は、隣人の欠点の袋を前にかけたままにしので、隣人の欠点は、鼻ずらに見え るのだが、自分の欠点を見るには、痛みを伴うのだ。

 この原初からの習慣は、現在においても廃れてしまったわけではない。

(日本語訳 Keigo Hayami)

うそ の種本について 1

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